教養学部生のための
キャリア教室

教養学部生のためのキャリア教室

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「教養学部生のためのキャリア教室」

授業趣旨

国内外で活躍している各界の社会人をお迎えし、自身の進路選択、仕事の内容、人生の転機や悩み、生き方をお話いただくオムニバス形式の授業です。多様な価値観や進路選択を知ることで、グローバル化や超高齢化、高度情報化などの変化にさらされる現代で柔軟に自らのキャリアを形成するための基礎、考え方を学びます。 ゲストスピーカーは企業、官公庁、大学・研究機関、国際機関などグローバルに活躍するトップリーダーから若手まで、多様な幅広い年代の方を予定しています。
すでに具体的に進路を定めている人はもちろん、「社会人ってキツくて大変そうだけど本当のところどうなのだろう」と仕事と生活について話を聞いてみたい人、「何をやりたいかわからないけれど進学選択の際に困らないようにとりあえず高い点数を取っておこう」と、考えるのを先延ばしにしている人も歓迎します。専門課程に進む前に自分の「これから」について考えてみましょう。

2020A ゲスト講師略歴・講演概要

今津 知子

アクサ生命保険株式会社 カルチャー&ダイバーシティ マネージャー

1998年東京大学経済学部経済学科卒業。新卒でフードサービス会社に就職。現場を1年経験後、教育・採用業務に従事。その後スポーツメーカーでは、マーケティング・広報と社内教育を担当。外資系生保で、ダイバーシティ推進業務をほぼゼロから立ち上げ。その後広報業務を経験後、2019年にアクサに転職、現在に至る。22年の社会人生活の中で、仕事ではかけがえのない出会いや経験を積み、子育てや親の介護からもまた多くを学んでいる。

本日はアクサ生命保険株式会社でカルチャー&ダイバーシティ マネージャーを務めていらっしゃいます、今津知子さんにご講演いただきました。
 ご講演では、キャリア形成理論の1つとして「4L」の枠組み(労働 Labor、 学習 Learning、 余暇 Leisure、 愛 Love)をご紹介いただき、ご自身のこれまでのキャリアにおいてこの4つの要素が占める割合を時系列に沿ってご紹介いただきました。そのうえで、この4要素のバランスが良いことが理想であるわけではなく、その時々の自分のライフスタイルにマッチする働き方が正解であるとお話しされました。また、新卒で入社した会社で学びたいことを学べたら次のステップに進むために転職するのか、同じ会社で働き続けるのかの選択もその人の価値観次第であるとおっしゃており、キャリアは自分自身がその時大事にしたい価値観で決めるものなのだということを強く感じました。
 また私生活の面では、特に介護や育児は自分で時間をコントロールできないという点で大変ですが、こうした面に関してはある程度割り切って対処することも必要であるともおっしゃっており、こうした姿勢こそが仕事と私生活を両立させるカギであるとも感じました。
 多くの経験をされてきた今津さんのお話は大変興味深く、広い視点で自分の現在のキャリアや生活を捉えることの大切さを感じました。この度はご講演いただき、ありがとうございました。
(総合文化研究科 修士1年 吉野真理子)

大澤 辰夫

ボーズ・オートモーティブ合同会社 Executive Operating Officer


1980年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了、日産自動車に入社。開発部門で、振動、騒音、ハンドリング、乗り心地等、車両走行性能を担当。1998年商品企画部門に異動し、チーフプロダクトスペシャリストとして、北米向けフルサイズピックアップ、SUV、日本向けフーガ、スカイライン、シーマ、高級チャンネルのインフィニティ車種全般の企画を行う。2011年ボーズ・オートモーティブに転職し、現在に至る。

本日はボーズ・オートモーティブ合同会社でExecutive Operating Officerを務められている大澤辰夫さんにご講演頂きました。ご講演では、今まで経験された職務それぞれについての内容ややりがいをお話しいただきました。
大澤さんは1980年、東京大学大学院工学系研究科(航空工学専攻)修士課程を修了後に日産自動車に入社され、開発部門で主に振動や騒音を軽減する技術開発に携わってこられました。その後、日産のアメリカ進出に際して、4年間立ち上げメンバーとして幅広い開発業務を担当されたそうです。1998年には商品開発部門に異動され、チーフプロダクトスペシャリスト(CPS)として、様々な車種の企画をされてきました。商品開発業務については、ターゲットとなる顧客の調査に始まり、実寸大のモデルの作成に至るまで、その業務内容について段階を追って具体的にお話しいただき、学生にとっては将来の仕事を想像する上で大変有用で興味深い内容であったと思います。大澤さんは、ご自身が担当されたCPSの仕事は自動車開発業務の中で一番楽しく達成感のある職種だと仰っていたのが印象的でした。2011年には日産自動車と技術面での連携も多かったボーズ・オートモーティブ合同会社に転職され、これまでの経験を生かしつつExecutive Operating Officerとして様々なオーディオ技術に関わっておられるそうです。
ご自身がされてきた職務について活き活きとお話されている大澤さんの様子を拝見し、私自身将来自分の経歴を振り返った時に、大澤さんのように堂々と自分のやってきたことについて語れるような人間になりたいと思いました。
(総合文化研究科 修士1年 仲川久礼亜)

葛西 周

早稲田大学高等研究所 講師


2005年桐朋学園大学作曲理論学科卒業。2007年東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程、2010年博士課程修了。博士(音楽学)。同大学助手および12の大学・研究機関で非常勤講師・研究員を務め、語学、初年次教育、一般教養から卒論指導や大学院ゼミまで多様な科目を担当してきた。2020年4月より現職。専門は日本の近現代音楽史で、特に音楽体験の場の変遷に関心があり、最近は温泉地における音楽実践について研究している。

本日は早稲田大学高等研究所で講師をされている葛西周さんにご講演いただきました。葛西さんは日本の近現代音楽史をご専門とされています。学生である私自身、身近な存在である研究者のお話は大変興味深いものでした。
 研究者というと一般的には、自分の好きなこと追い続けてそれにより生計を立てていける職業、という印象を持たれることが多いと思います。しかし研究者である葛西さんが語られたことは、研究のモチベーションは「好きなこと」だけではない上、研究により「生計を立てる」ことは決して一筋縄にいくものではない、というシビアな実態でした。
 講演では「アカデミア・サバイバル入門」というテーマのもとで研究者としての困難とその対処について率直なお話をたくさんしていただき、研究者は決して楽な道ではないということを痛感しました。しかしだからこそ、音楽そして研究者の道を今まで貫いて来られた葛西さんのお話のうちには自分の仕事に対する誇りを窺い知ることができ、私自身研究者への敬意や憧れを改めて強く抱きました。
講演の締めくくりには学生に対して「自分のキャッチコピーをじぶんで作ること」を提案されました。色々な人に広く興味を持ってもらえるような自分に関するキャッチコピーを提示すると、それがコミュニケーションのきっかけになるということです。大学教員としての指導の役割は一方向的な知識の供給ではなく、議論を促し双方の考えをブラッシュアップさせることにあると仰っており、コミュニケーションの大切さについて語られていた点が印象的でした。
(総合文化研究科 修士1年 仲川久礼亜)

神代 康幸

財務省関税局関税課 課長補佐


福岡県出身。京都大学・同大学院を経て、2013年財務省入省。 入省後、大臣官房総合政策課に所属し、マクロ経済分析を担当。2015年には東北財務局にて、金融検査や災害復旧業務に従事。 その後、大臣官房秘書課でのG7仙台会合事務局や金融庁(出向)における金融行政を通じ、国際的な経験を積む。 留学では仏・エコールポリテクニークにて経済やデータ分析を専攻、帰国後は財務省関税局で関税率の検討等、関税政策の企画・立案に取り組む。

第2回となる今回は、財務省関税局関税課課長補佐の神代康幸さんを講師としてお招きし、中高生時代の進路選択・大学時代のキャリアの選択・財務省での業務を中心にお話いただきました。たくさん悩みながらもたくましく生き方を決めていくエピソードの数々に、私も勇気をもらえるような60分でした。
 キャリア選択について「限られた状況や選択肢で、その都度決める」という言葉が特に印象に残りました。講義では、中高生時代・大学受験・就職といった場面で、限られた選択肢で最善の選択を行い、人生を広げていった様子を紹介いただきました。キャリア選択について「周囲の環境は不可抗力で変わってしまうので、キャリアは考えていても答えがない」という言葉は、遠い未来を想像しながらキャリアを考えてしまいがちな学生に新たな気づきを与えていたように思えました。私も博士号取得後のキャリアについて思い悩むことがありますが、まだ見ぬ将来に悩み過ぎる必要はないのだなと、気楽になることができました。同時に、だからこそ目の前のことに注力しようと気持ちが引き締まりました。
 講義では神代さんの仕事観についても伺うことができました。財務省では比較的短いスパンで役職が変更になり、扱ってきた業務は多岐に渡るものの、それらの業務は裏でつながっているという話が印象に残りました。「同じような仕事をやっていればプロフェッショナルというわけではない」という言葉は、スペシャリスト・ゼネラリストを目指すそれぞれの学生にとって、専門性について考える良い機会になると感じました。  講義の終盤には、今の学生が努力すべきこと3点(勉強すること・地味でも着実に成果をあげること・できればグローバルに行動すること)を端的に示して頂きました。講義の内容ともつながりが深く、きっと多くの学生が記憶に残していることかと思います。
(学際情報学府 博士1年 今泉拓)

讃井 康智

ライフイズテック株式会社 取締役


1983年、福岡市生まれ。久留米大学附設中高卒。東京大学教育学部卒業後、株式会社リンクアンドモチベーションに勤務。その後、独立し、東京大学大学院 教育学研究科に進学し、故三宅なほみ先生に師事。各地の教育委員会・小学校・保育園などで創造的で協調的な21世紀型の学びを実現するサポートを行う。ライフイズテックには立ち上げ時から参画。自治体・学校・企業向け事業担当役員。NewsPicksプロピッカー(教育領域)。

今回はライフイズテック株式会社取締役の讃井康智さんにご講演いただきました。讃井さんは本学教育学部をご卒業後、人材コンサルティング会社に勤務され、その後大学院で研究を再開される傍らライフイズテック株式会社の設立に関わられました。会社ではITに興味を持つ中高生にプログラミングを学ぶ機会を提供するキャンプを毎年開催され、現在はプログラミングをオンラインで学べる教材も開発、提供されています。
ご講演の中で、ご自身のキャリアには日本の教育を変えたいという思いが常にあると伺いました。地域による教育の格差を解決する手段としてITを活用するという事業目的はまさに讃井さんの原体験に基づくものであり、こうしたお話から「意志が事業を創る」「理想の未来は創れる」というお言葉が非常に生き生きと迫ってきました。一方で讃井さんはお仕事をされるなかで現場視察も大事にされているそうで、ITはあくまで課題解決の手段であるというお考えも強く伝わってきました。この考え方は、キャリアを考える場合にとどまらず、ポストコロナ時代を生きる私たちの今後の生活における普遍的なテーマになりうると感じました。
さらに、行った先の偶然がキャリアを形成する、というお話も非常に興味深く、「偶然」を獲得するためにも、興味を持ったことに自分から進んでアプローチしていくことの大切さを改めて感じました。この度はご講演いただき、ありがとうございました。
(総合文化研究科 修士1年 吉野真理子)

髙橋 哲也

キリンホールディングス株式会社 経営企画部DX戦略推進室


2006年、東京大学総合文化研究科修了。分析化学の研究室を修了しながらも、文系の採用枠でキリンビールに入社。営業を4年勤めた後、社内公募制度でマーケティングリサーチを担当する部署に異動し、9年間マーケティング周りのデータ分析を担当する。この春より新設された現部署に異動し、様々なデジタル技術の業務活用支援を行っている。

本日は株式会社キリンホールディングスの髙橋哲也さんにご講演いただきました。
髙橋さんは今年から社内で新設の部署に異動になり、デジタルトランスフォーメーションに関するお仕事をなされています。現在の部署に移るまでは営業のサポートや商品開発に関するデータ分析などのマーケティングリサーチのお仕事を9年ほどなさっていたそうです。
本日は「わからないことだらけの世の中で、どうすればいいか?」というテーマに沿って講演をしてくださりました。
髙橋さんは元々文科三類で東京大学に入学されたのち、バイオテクノロジーとの「偶然の出会い」により科学の道に進まれたそうです。また、現在のキリンホールディングスさんへの就職を決意されたのも、ちょっとした出来事によりお酒に対する考えが180度転換したことがきっかけだったそうです。「偶然」に直面しやすい生活を意識的にすることで、面白い巡り合わせがあると言われます。
個人のキャリアの8割は予期しない偶発的なことによって決定されるとも言われる不確実な世の中では、「自分を拡げること」に力と時間を費やすべきだと髙橋さんは仰います。その中でも、自分には無い何かを持っている人との関係の大切さを主張されていました。実際に何よりも不確実なものは人との巡り合わせなので、だからこそ、リモート化が進み「偶然」の出会いを作り出しにくい昨今の状況においては、その状況をしっかりと認識し、巡り合わせを生むにはどうしたら良いかを積極的に模索していくことが必要なのだということを痛感しました。
(総合文化研究科 修士1年 仲川久礼亜)

徐 世傑

有限会社 メカノトランスフォーマ 代表取締役


マレーシア出身。2005年東京大学大学院精密機械工学専攻修士課程修了。大学学部2年生頃から矢野健(現会長)と(有)電子精機(現(有)メカノトランスフォーマ)の設立に関わり、2005年に入社。2012年メカノトランスフォーマ社の代表取締役に就任。アクチュエータ技術を梃子に、「人づくり」「新技術づくり」「モノづくり」「サービス」を通じて、日本と世界を結んでいくことも大きな目標の一つ。日本と世界の成長の一翼を担える会社を目指す。

 本日は有限会社メカノトランスフォーマ代表取締役の徐世傑さんにご講演いただきました。講演では、徐さんの進路選択だけでなく人生哲学についても深く伺うことができました。特に、人間関係に関する処世術やお金の価値観についてなど、普段の学生生活からは知ることができないトピックも多くお話いただき、大変有意義な時間となりました。
 好きなことで仕事を選ぶか、求められることで仕事を選ぶか、という話題は多くの受講生の印象に残ったかと思います。好きなことで仕事を選んだ場合は、大変な努力と時間が必要とされるものの、苦に思うことが少ないこと。一方、求められる仕事を選んだ場合は、早い段階で事業が軌道にのり、儲けがでることも多いこと。ただ、どちらが正解ということもなく、好きなことから求められることへ(またはその逆へ)変更する人もいること、などをご教授いただきました。好きなことをできる仕事を選ぶか、儲かる仕事を選ぶか、というのは多くの学部生にとって共通の悩みだと思います。私自身も博士号取得後の進路に悩んでいますが、正解はないという言葉に勇気づけられ、自分なりに精一杯頑張ろうという気持ちになりました。
 講演で一番心に残った言葉に「(人生は)人間力を修行するジム」というものがあります。何か上手くいかないことがあったときや理不尽に直面した時に、それを自分を鍛える場だと思え、という趣旨です。好きなことを選び、多くの苦労を経験された徐さんだからこそ、この言葉に大変な説得力を感じました。上手くいかないときは落ち込んでしまいがちですが、それを跳ね返す強い気持ちの大切さを痛感しました。この言葉は、受講生にも大きく響いたかと思います。この度はご講演いただき、大変ありがとうございました。
(学際情報学府 博士1年 今泉拓)

中村 有沙

株式会社オアシススタイルウェア 代表取締役


2011年東京大学経済学部卒業。在学中は「学生のためのビジネスコンテストKING運営委員会」に所属。新卒で水道工事業を手がける株式会社オアシスソリューションに入社。売上全国1位を取るなど営業職として4年間活躍後、人事部を立ち上げる。人事部在籍中、自社の制服リニューアルを担当したことがきっかけで、スーツに見える作業着「ワークウェアスーツ」を考案。2017年ワークウェアスーツ販売のため株式会社オアシススタイルウェアを立ち上げ、代表取締役に就任。プライベートでは第一子を出産し、現在育児休業中。

今回は株式会社オアシススタイルウェア代表取締役の中村有沙様にお越しいただき、これまでのキャリアや将来を考えるにあたってのヒントについてご講演いただきました。
 中村さんは2011年に本学経済学部をご卒業後、水道事業を行うベンチャー企業、株式会社オアシスソリューションに入社され、内気な自分を変えたいという思いからまずは営業職としてご活躍されます。その中で、社内研修制度の効率化等の必要性を感じられ、4年目に社長に直談判し、ご自身が中心になって社内に人事部を立ち上げられます。そこで若手の採用に苦労する現状を打開する為に会社の第一印象を変える必要性を実感され、「スーツにみえる作業着」ワークウェアスーツを2年かけて開発されました。この作業着が好評を呼び、今では550社以上の企業に採用されています。
 ご講演では在学時の挫折についてもお話くださり、そうしたご自身の経験から、将来の方向性に迷った時は、まずは飛び込んでみるべきだと仰いました。また社会には新しいものを「作る」人と、既存のシステムを「守る」人の二種類が存在しますが、そのうち自分はどちらになりたいのかを考えることも有益だとのお話もされました。その上で、仕事を選ぶ際には、向き不向きを考えるよりもやりたいことをやるべきだとお話しいただきました。ご講演を聴いて、順風満帆なキャリアを歩まれている様に見える中村さんでも、実は悩まれることも多かったという点が意外に感じられたと同時に、能動的に動くことの重要性にも気付かされました。またご提示頂いた進路選択に当っての3つのヒントは、受講生の将来への良き指針になったと思います。この度はご講演いただきありがとうございました。
(総合文化研究科 修士1年 吉野真理子)

堀部 直人

株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン ビジネスプラットフォーム部マネージャー


2002年東京大学入学。 日本学術振興会特別研究員(DC1)として進化生物学の研究を行う。副専攻として科学技術インタープリター養成プログラムを修める。前期課程と合わせ9年間を駒場ですごし2011年博士課程修了(学術)。株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンというビジネス書の出版社で働き始める。書店営業、システム開発などを経て編集部へ。ビジネス書を編集する傍らビッグクエスチョンズシリーズやあかちゃん学絵本シリーズを手掛ける。2020年より編集部を離れDX推進にかかわる。

本日は株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンの堀部直人さんにご講演いただきました。講演では、進路選択の過程、博士課程での体験、出版業界での業務についてお話いただきました。今回は学生間のディスカッションを積極的に設け、学生の不安や疑問に対して、堀部さんが回答し話題を広げていくという形式で行いました。堀部さんは博士号取得後に就職するというキャリアを選んだ方で、私も一人の博士課程学生として大変参考になる内容でした。
 進路選択や出版業務などの各話題において、堀部さんが自身の専門や強みを柔軟に捉えている点が非常に印象的でした。例えば、興味のある専門が複数あるから、幅広く学べる教養学部の後期課程に進学したこと。例えば、副専攻である科学技術インタープリターを活かして就職したこと。また例えば、就職先でも流通・編集・人事と様々な領域を担当してきたこと。自身の専門領域内に固執せずに、専門と進路や業務との間にうまく接点を作っていく姿勢は、ぜひ見習いたいと感じました。堀部さんがご自身の柔軟な生き方について、油滴がふらふらと動く様子に重ね合わせながら表現していた点もとても印象的でした。博士課程について具体的にイメージしづらい前期課程の学生にとっても、柔軟な生き方がマルチステージな人生において重要なこと、遠くの目標に向かって逆算で進路選択することだけが全てでないことが伝わっていたと思います。
 講演の最後に頂いた『ふらふら博士課程に行くのもいい』という言葉を書き記し、今回の記録にしたいと思います。
(学際情報学府 博士1年 今泉拓)

宗京 裕美子

Sake Suki 創業者 社長


福井県生まれ。金沢大学附属高校出身。2008年東京大学文学部社会学専修課程卒業。ゴールドマンサックス証券グローバルマーケッツ部門入社。2011年米国野村證券に転職し、米ニューヨーク移住。勤務期間にColumbia University SIPAの修士号取得。日本の地酒を米国に広めたいと清酒輸入会社Sake Sukiを2013年に創業。現在米国主要都市含む15州、1000店舗のハイエンドレストラン等に卸す。私生活では、アメリカ人の旦那と4歳と2歳の娘、マルチーズとニューヨークで暮らす。

本日は清酒輸入会社Sake Sukiの創業者であり社長をお務めの宗京裕美子さんにご講演いただきました。2013年創業のSake Sukiは、日本の地酒を米国に広めるべく、現在米国主要都市を含む15州、約1000店舗のハイエンドレストラン等に日本酒を卸しています。 講演では今までに経験されたキャリアとその経緯についてお話しいただきました。
宗京さんは大学生時代、メディア業界に興味を持ちテレビ局でのインターンなどを数多く経験されました。就職活動に際しては今一度自己分析をした結果、外資金融の道を志しゴールドマン・サックス証券へ入社されました。その後4年間のキャリアの中で、国際的な視点から、日本で働くことへの限界を感じるようになり米国野村證券へ転職、海外生活を始められたということです。アメリカではグローバルスタンダードを身につけたいという想いからコロンビア大学大学院(SIPA)へ通い修士号の取得もされています。現職であるSake Sukiは、大学院生時代に金融業の傍ら趣味感覚で始められたものでしたが、より自分のバックグラウンドや強みを活かせる道として、その経営を本業に選択されたそうです。
宗京さんは今までの経歴を振り返り、様々な経験や人脈を培ってきたことがそれ以降のキャリアを築く上で活きていて、その結果としてある今の生活が今の自分に一番合っていて幸せだとおっしゃっていました。
あまり苦労を語られない宗京さんでしたが、その時々の目標達成に向けて人一倍努力をされ、またそれぞれの局面における課題に柔軟に対応してきたからこそ、次につながる経験を築かれることになったのだろうと感じました。
(総合文化研究科 修士1年 仲川久礼亜)

安井 則恵

野村不動産株式会社 住宅事業本部事業推進一部 専門職

大学を卒業後、メーカーの住宅事業部(分社化し旭化成ホームズ株式会社)に配属。住宅の設計やインテリアの提案業務を行う。その後、ディベロッパー((株)大京)に転職し、営業推進部、商品企画部・高額チームでマンションの企画・推進業務、モデルルームのデザイン、高額物件のオーダーメイド対応などを行う。その後、アメリカに渡り、Interior and Landscape を専攻し、日本に帰国。その後、ディベロッパー(東京建物株式会社)を経て、現職、野村不動産株式会社でマンションの仕様決めやインテリア業務を行う。

スケジュール

第1回 9月25日(金) ガイダンス
第2回 10月2日(金)中村 有沙(株式会社オアシススタイルウェア 代表取締役)
第3回 10月9日(金)神代 康幸(財務省関税局関税課 課長補佐)
第4回 10月16日(金)髙橋 哲也(キリンホールディングス株式会社 経営企画部DX戦略推進室)
第5回 10月23日(金) 大澤 辰夫(ボーズ・オートモーティブ合同会社 Executive Operating Officer)
第6回 10月30日(金)讃井 康智(ライフイズテック株式会社 取締役)
第7回 11月6日(金)

キャリア・ワークショップ(実施:キャリアサポート室)

第8回 11月13日(金) 宗京 裕美子( Sake Suki 創業者 社長)
第9回 11月27日(金) 堀部 直人(株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン ビジネスプラットフォーム部マネージャー)
第10回 12月4日(金)徐 世傑(有限会社 メカノトランスフォーマ 代表取締役)
第11回 12月11日(金) 葛西 周(早稲田大学高等研究所 講師)
第12回 12月18日(金)今津 知子(アクサ生命保険株式会社 カルチャー&ダイバーシティ マネージャー)
第13回 12月25日(金)秘密
自由参加 
1月8日(金) 
本授業の振り返り・自分自身の将来を考えるワークショップ(レポート作成にむけて)

2019A ゲスト講師略歴

安達 和英

株式会社電通 CDC CMプランナー/クリエーティブ・ディレクター 

2003年、東京大学工学部卒業。2005年、新領域創成科学研究科修了。在学中はダンスサークル「WISH」に所属し、21代目部長を務める。大学院時から参加し始めた企業インターンシップを通して広告会社に興味を持ち、営業志望で電通入社。初期配属は営業局。実際の仕事を通してクリエーティブ職に興味を持ち、2年目からクリエーティブ局に異動、現在に至る。TCC、ACC、CLIO、ONE SHOWなど国内外の広告賞を多数受賞。

倉持 哲義

テルモ株式会社(経営企画) マネージャー

2008年 東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了(学振特別研究員)、アステラス製薬に創薬研究者として入社。技術者の視点だけでなく事業経営側も知るためにコンサルティング業界へ転職し、アーサー・D・リトル、デロイト トーマツ コンサルティングで、全社事業戦略・新規事業策定などに携わる。技術と経営の両面の知見を活かす場として、2017年からテルモ株式会社 経営企画室に所属。

小坂 理子

東京大学 助教

1985年石川県生まれ。博士(保健学)。2004年東京大学入学、工学部建築学科へ進学するが、のちに医学部健康総合科学科へ転学部し、看護師、保健師の免許を取得して東大病院に入職。2年間の病棟勤務ののち、東京大学大学院医学系研究科に入学。国際保健学専攻人類生態学教室に所属し、修士、博士課程を経て、2019年現在同教室にて助教を務める。インドネシア・西ジャワのスンダ農村および都市コミュニティーに住み込み、人びとの食にまつわる行動や栄養に関心をもってフィールドワークを行なっている。

小嶌 不二夫

株式会社/一般社団法人ピリカ 代表

株式会社/一般社団法人ピリカ 代表。富山生まれ、神戸育ち。大阪府大(機械工学)卒。京大院(エネルギー科学)を半年で休学し、世界を放浪。道中に訪れた全ての国で大きな問題となりつつあった「ごみの自然界流出問題」の解決を目指し、2011年に株式会社ピリカを創業。ピリカはアイヌ語で「美しい」を意味する。世界最大のごみ回収SNS「ピリカ」、AIごみ分布調査システム「タカノメ」、マイクロプラスチック調査装置「アルバトロス」等の新規製品を生み出し、全てを事業化。ごみの自然界流出問題の根本解決に取り組む。2013年にeco summit in Berlinで金賞、2018年に環境大臣賞を受賞。

児玉 香織

トヨタ自動車 第2材料技術部 MEGA開発室

東京大学で化学を専攻し、学部卒業後、アメリカのコーネル大学院化学科に留学。 「Science」に論文を発表するなど精力的に活動し、2017年にPh.Dを取得。卒業後は日本に帰国し、トヨタ自動車に就職。 入社以来、燃料電池に使われる高分子材料の開発に取り組んでいる。

鈴木 孝嗣

鈴木たかつぐ社会労務士事務所 代表

1981年法学部卒。日立電線と日立製作所で人事労務を担当。賃金・評価制度設計、労使交渉、グローバル規模のタレントマネジメント等に従事。欧州系医療機器会社のマッケ・ジャパン(後に、ゲティンゲグループ・ジャパンに名称変更)に転じ、取締役人事総務本部長。現在は、鈴木たかつぐ社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士。

高萩 宏

東京芸術劇場 副館長

1953年4月7日東京生まれ。東京大学文学部卒。1976年、劇団夢の遊眠社創立に参加。 退団後、英国での「ジャパン・フェスティバル91」、TOKYO演劇フェアなどに関わる。東京グローブ座支配人、世田谷パブリックシアター制作部長を経て現職。現在、多摩美術大学客員教授。立教大学、日大芸術学部非常勤講師。著書「僕と演劇と夢の遊眠社」日本経済新聞出版社。

奈良 裕信

国土交通省 総合政策局 安心生活政策課長

東京都出身。東京大学法学部卒。1996年運輸省(現在の国土交通省)に入省し、大臣官房、航空局、観光庁、富山県庁、海上保安庁、自動車局、日本政府観光局ロンドン事務所等での勤務を経て2018年7月から現職。

宮崎 彩

UNESCO 世界遺産センター ラテンアメリカ・カリブユニット JPO

文化財保護に関わる仕事をしたいと考え、国際関係論と文化財保全学を大学、大学院で専攻(2010年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、2013年University of York修士課程(歴史建造物保全学、Distinction)修了)。2011年より東京大学大学院総合文化研究科博士課程に進学しながら、文化財や文化外交に関わる仕事に携わってきた。2019年より現職。

矢野 将文

FC今治 代表取締役社長

2000年東京大学工学系研究科修了後、ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。債券営業部に所属し、金融法人の有価証券運用を支援する業務に従事。ヘルスケアベンチャー企業の創業に携わった後、愛媛大学農学研究科森林環境管理特別コースにて林業を専攻。その後、岡田武史氏とのご縁があり、経営企画室長等を経て現職。家族は妻と二女。

教養学部生のためのキャリア教室へのお問い合わせ

info.sr.komex-group[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp

東京大学教養教育高度化機構 社会連携部門([at]を@に書き換えてください)