開講情報

教養としての芸術学

A1ターム(火曜2限・金曜2限)「理論と実践から芸術を学ぶ」実施内容

ガイダンスおよび第1回授業

日程:2017年9月26日(火)2限(10時25分〜)
場所:KOMCEE West K501教室

授業趣旨

全学自由研究ゼミナール「教養としての芸術学」は、芸術に関する講読や創作体験を通して、芸術を座学と実践の両面から学ぶ姿勢を身につけるための授業です。

2017年A1タームでは演劇と音楽を対象として、作品や理論などの資料を読み込む演習と実際に創作を行う実践ワークショップを行います。実施にあたり第一線で活躍する学外のゲスト講師からの協力を得て開講します。演劇や音楽の実技経験は不問です。

  • 受講人数を 20 名程度に制限します。受講希望者は必ずガイダンスに参加してください。
  • 授業の内容は進捗状況、理解度に応じて一部変更することがあります。
  • 授業外でグループでの作業が発生することがあります。

ゲスト講師略歴&ワークショップ内容

西尾 佳織

劇作家、演出家、鳥公園主宰

劇作家、演出家、鳥公園主宰。幼少期をマレーシアで過ごす。東大表象文化論卒業、東京芸大芸術環境創造科修了。2007年に鳥公園を結成以来、全作品の脚本・演出を担当。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボけた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。

演劇ワークショップ

自分の内側のもやもやした感覚を、外に引っ張り出してみる。それをしげしげ眺めてみる。

なんとなく芸術に興味があるんだけれど、どう関わったらいいか分からない、自分が作品をつくるのは恐ろしいような気がする……という人は、来てくれたらいいかもしれません。14年前、私もそんな学生でした。この講義では、作品を観ること、言葉にすること、つくることをやります。世の中にある、「作品」と呼ばれていて、どうもそうらしいものと、自分の中にある「何かをつくりたい(ような気がする)」との間から、始めます。

野口 桃江

現代音楽作曲家

桐朋学園大学音楽学部 作曲理論学科卒業。同大学研究科修了。仏リヨン国立高等音楽院にて電子音響とオーケストレーションを学んだ後、蘭デン・ハーグ王立音楽院 ArtScience学科修士課程修了。現代音楽をベースに、光、映像、センサー等を用いた作品制作とパフォーマンスを世界各所で行っている。

音楽ワークショップ

楽譜のアルケオロジーと共感覚的ワークショップ

講義ごとに「楽譜のアルケオロジー」「共感覚的表現」「音律」「アポロとディオニュソス」などのテーマを設け、古楽、現代音楽、民族音楽、ポピュラー音楽、サウンドアートなど多様なジャンルからなる作品群とその理論、美学的背景について紹介します。また、それらの作品や手法の実演、及びコンテクストを発展させる、諸感覚を研ぎ澄ませる、作品制作など、身体をとおして思考を深めていくことを目的としたワークを行います。

スケジュール

A1ターム

9月26日(火)2限

ガイダンスと導入講義

9月29日(金)2限【演劇1】

作品を見て、感じたことを言葉にしてみる。そこからさらに、別の形に置き換える。
(鑑賞:鳥公園『蒸発』記録映像)

10月3日(火)2限【演劇2】

「作品」はどこにあるか?
(資料講読:宮沢章夫『時間のかかる読書』、太田省吾『プロセス』、鈴木志郎康『結局、極私的ラディカリズムなんだ』)

10月6日(金)2限【演劇3】

自分の思い出の品について語る。他人の思い出を、自分のこととして語る。
(鑑賞&資料購読:転形劇場『小町風伝』)

10月10日(火)2限【演劇4】

知覚を微分する。

10月13日(金)2限【演劇5】

駒場キャンパスの中で、サイトスペシフィックな小作品をつくってみる。

10月17日(火)2限【演劇6】

小括

10月20日(金)2限【音楽1】

現代音楽 - サウンドアート概論 / 耳を啓く

10月24日(火)2限【音楽2】

前回授業で採譜した音を他者に伝達する方法を探る / 古楽における伝達法 / オリジナルの音階をつくり, その音を元に演奏する

10月27日(金)2限【音楽3】

クラシック音楽~メディアアート作品における共感覚的表現

10月31日(火)2限【音楽4】

アポロ的芸術とディオニュソス的芸術 

11月7日(火)2限【音楽5】

個人, またはグループによる小作品制作

11月10日(金)2限【音楽6】

作品発表と総括

参考文献

演劇ワークショップ

宮沢章夫『時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず』 河出書房新社、2009年
太田省吾『プロセス 太田省吾演劇論集』 而立書房、2006年
鈴木志郎康『結局、極私的ラディカリズムなんだ―鈴木志郎康表現論エッセイ集 (Le livre de luciole)』 書肆山田、2011年


音楽ワークショップ

マリー・シェーファー『世界の調律 サウンドスケープとはなにか』鳥越けい子他訳 平凡社、2006年
マリー・シェーファー『サウンドエデュケーション』鳥越けい子他訳 春秋社、1998年
フリードリヒ・ニーチェ『悲劇の誕生―ニーチェ全集〈2〉』塩屋竹男訳 ちくま学芸文庫、1993年
ジャン=ジャック・ナティエ『音楽記号学』足立美比古訳 春秋社、2005年
北村紗衣『共感覚から見えるもの -アートと科学を彩る五感の世界』 勉誠出版、2016年

教養としての芸術学へのお問い合わせ

y.okamoto[at]komex.c.u-tokyo.ac.jp

東京大学教養教育高度化機構 社会連携部門 岡本(おかもと)