東京大学教養学部全学自由研究ゼミナール
2020年Sセメスター
多文化社会と教育
―移民の子どもたちをめぐる現状と課題の理解
担当者:髙橋 史子
水曜5限16:50〜18:35
TBC
ゼミの概要・目的
日本は正式に”移民”を受け入れると発表していないものの、外国人流入数ではOECD加盟国中4位であり(OECD, 2017)、実質上の「移民受け入れ国」と言っても過言ではない。また、2019年春からは単純労働分野への外国人受け入れも拡大された。外国人の定住化・滞在の長期化も進んでおり、日本社会の多民族化・多文化化*は進んでいると考えられる。
民族・人種・文化に関係なく、平等に社会に参加するために教育は重要な役割を果たす。本ゼミは、家庭、学校、地域、労働市場などさまざまな観点から、移民の子どもたちの生活世界に対する理解を深め、多文化社会と教育に関する基本的な概念や理論について学び、日本に在住する移民や難民の子どもたちの教育に関する課題と展望について検討する。
- ただし、日本の多文化社会化は今に始まったことではない。もともと、日本社会にはアイヌや部落などの人々、さらに在日コリアンなど、さまざまな民族的・文化的背景を持つ人々が生活してきた。
キーワード
移民、教育、マイノリティ、多文化社会、多文化主義、多文化共生、外国人労働者、多文化教育
目標
- 日本に住む移民の子どもたちについて、出身国、数、渡日背景、移民世代(移民1世、2世・・)などの基本的な情報を説明できる。
- 家庭、学校、地域、労働市場などを切り口に、移民の子どもたちの生活世界に対する理解を深め、基本的な概念や理論を説明できる。
- 学校や地域における多文化共生に向けた教育的取り組みについて学び、多様性と平等、公正の観点から論じることができる。
- 本ゼミに関連するテーマについて文献購読やフィールドワークを通じて調べ、授業で学んだ知識と結びつけて発表を行う。
- 本ゼミで取り扱ったテーマの中から一つ選び、移民の子どもたちの教育をめぐる現状と課題についてレポートで論じる。
方法
講義、グループワーク、発表等
講義の中にも、知識をペアで確認しあうワークなどがあります。
受講の条件
- 体調不良などのやむを得ない事情による欠席を除き、すべての回に出席してください。
- ゼミの内容は移民の教育について初学者向けのため、事前の関連知識は特に必要ありません。
- 各回の事前事後に出す課題(文献や資料の購読、振り返りフォームの提出など)をきちんと行うことが求められます。
- グループワークへの積極的な参加が求められます。
スケジュール
教科書
額賀美紗子・芝野淳一・三浦綾希子編. (2019).『移民から教育を考える―子どもたちをとりまくグローバル時代の課題―』ナカニシヤ出版, ISBN:978-4-7795-1369-5
参考文献
- 授業時間中に適宜、指示します。
- グループワークの際は、参考文献リスト以外の文献や資料についても自主的に調べることが求められます。
成績評価
- 振り返りフォーム(20%)・・・各回で学んだ知識、概念、理論に関する簡単な復習。疑問点や感想も書いてください。
- 発表(40%)・・・7月8日(水) 本ゼミで取り扱ったテーマの中から一つ選び、移民の子どもたちの教育をめぐる現状と課題についてリサーチを行い発表します。教員(15%)、TA(15%)、他の受講者(10%)で評価を行います。評価基準についてはルーブリックを参照してください。
- レポート(40%)・・・締切:7月31日(金) オンラインで提出。発表で受けたコメント等を踏まえ、レポートにまとめます。評価基準についてはルーブリックを参照してください。
担当者連絡先
メール:fumiko.takahashi@gmail.com
質問等がある場合にはメールまたはグーグルクラスルームで受け付けます。面談が必要な場合は事前にアポイントメントをとってください。
ゼミに関する連絡
グーグルクラスルームを用いて資料の配布などの連絡を行います。第1回のゼミで登録方法について説明します。
TA
TBC
Comparative Study of Immigrant Education(2020年度Sセメスター)
言語
日本語