日程:2017年9月26日(火)2限(10時25分〜)
場所:KOMCEE West K501教室
全学自由研究ゼミナール「教養としての芸術学」は、芸術に関する講読や創作体験を通して、芸術を座学と実践の両面から学ぶ姿勢を身につけるための授業です。
2017年A1タームでは演劇と音楽を対象として、作品や理論などの資料を読み込む演習と実際に創作を行う実践ワークショップを行います。実施にあたり第一線で活躍する学外のゲスト講師からの協力を得て開講します。演劇や音楽の実技経験は不問です。
西尾 佳織
劇作家、演出家、鳥公園主宰
作家、演出家、鳥公園主宰。幼少期をマレーシアで過ごす。東大表象文化論卒業、東京芸大芸術環境創造科修了。2007年に鳥公園を結成以来、全作品の脚本・演出を担当。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボけた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。
自分の内側のもやもやした感覚を、外に引っ張り出してみる。それをしげしげ眺めてみる。
なんとなく芸術に興味があるんだけれど、どう関わったらいいか分からない、自分が作品をつくるのは恐ろしいような気がする……という人は、来てくれたらいいかもしれません。14年前、私もそんな学生でした。この講義では、作品を観ること、言葉にすること、つくることをやります。世の中にある、「作品」と呼ばれていて、どうもそうらしいものと、自分の中にある「何かをつくりたい(ような気がする)」との間から、始めます。
野口 桃江
現代音楽作曲家
桐朋学園大学音楽学部 作曲理論学科卒業。同大学研究科修了。仏リヨン国立高等音楽院にて電子音響とオーケストレーションを学んだ後、蘭デン・ハーグ王立音楽院 ArtScience学科修士課程修了。現代音楽をベースに、光、映像、センサー等を用いた作品制作とパフォーマンスを世界各所で行っている。
楽譜のアルケオロジーと共感覚的ワークショップ
講義ごとに「楽譜のアルケオロジー」「共感覚的表現」「音律」「アポロとディオニュソス」などのテーマを設け、古楽、現代音楽、民族音楽、ポピュラー音楽、サウンドアートなど多様なジャンルからなる作品群とその理論、美学的背景について紹介します。また、それらの作品や手法の実演、及びコンテクストを発展させる、諸感覚を研ぎ澄ませる、作品制作など、身体をとおして思考を深めていくことを目的としたワークを行います。
9月26日(火)2限 |
ガイダンスと導入講義 |
---|---|
9月29日(金)2限【演劇1】 |
作品を見て、感じたことを言葉にしてみる。そこからさらに、別の形に置き換える。 |
10月3日(火)2限【演劇2】 |
「作品」はどこにあるか? |
10月6日(金)2限【演劇3】 |
自分の思い出の品について語る。他人の思い出を、自分のこととして語る。 |
10月10日(火)2限【演劇4】 |
知覚を微分する。 |
10月13日(金)2限【演劇5】 |
駒場キャンパスの中で、サイトスペシフィックな小作品をつくってみる。 |
10月17日(火)2限【演劇6】 |
作品発表と小括 |
10月20日(金)2限【音楽1】 |
現代音楽 – サウンドアート概論 / 耳を啓く |
10月24日(火)2限【音楽2】 |
楽譜のアルケオロジー / 倍音, 音律, 音階 |
10月27日(金)2限【音楽3】 |
クラシック音楽~メディアアート作品における共感覚的表現 |
10月31日(火)2限【音楽4】 |
アポロ的芸術とディオニュソス的芸術 |
11月7日(火)2限【音楽5】 |
個人, またはグループによる小作品制作 |
11月10日(金)2限【音楽6】 |
作品発表と総括 |
宮沢章夫『時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず』 河出書房新社、2009年
太田省吾『プロセス 太田省吾演劇論集』 而立書房、2006年
鈴木志郎康『結局、極私的ラディカリズムなんだ―鈴木志郎康表現論エッセイ集 (Le livre de luciole)』 書肆山田、2011年
マリー・シェーファー『世界の調律 サウンドスケープとはなにか』鳥越けい子他訳 平凡社、2006年
マリー・シェーファー『サウンドエデュケーション』鳥越けい子他訳 春秋社、1998年
フリードリヒ・ニーチェ『悲劇の誕生―ニーチェ全集〈2〉』塩屋竹男訳 ちくま学芸文庫、1993年
ジャン=ジャック・ナティエ『音楽記号学』足立美比古訳 春秋社、2005年
北村紗衣『共感覚から見えるもの -アートと科学を彩る五感の世界』 勉誠出版、2016年
2017年10月17日(火)
10:45-12:10 東京大学教養学部駒場キャンパス(コミュニケーションプラザ北館前集合)
「駒場キャンパスでサイトスペシフィックな作品をつくる」という課題のもと、学生が各チームで5分間の作品を上演しました。
プログラム
10:45 コミュニケーションプラザ北館前集合
「かくれんぼ」
「まだ、先が」
「アパートメント/かいらんばん」
「昼間の景色」
「3名」
「キョリ」
2017年11月10日(金)2限
10:45-12:10 東京大学教養学部駒場キャンパス
駒場コミュニケーションプラザ北館 音楽実習室
プログラム
「れるられる」
「ぐるぐる」
「早朝の風景」
「おんがく」
日程:2017年11月21日(火)2限(10時25分〜)
場所:KOMCEE West K501教室
全学自由研究ゼミナール「教養としての芸術学」は、芸術に関する講読や創作体験を通して、芸術を座学と実践の両面から学ぶ姿勢を身につけるための授業です。
2017年A2タームでは、芸術を能動的に理解するための方法として、芸術を言語化し文章として表現する練習を行います。具体的には美術や音楽、演劇等を鑑賞して批評を実際に執筆し、グループでブラシュアップした上で冊子としてまとめることを目指します。実施にあたり第一線で活躍する学外のゲスト講師からの協力を得て開講します。
横山 由季子 Yukiko Yokoyama
国立新美術館アソシエイトフェロー
東京大学大学院博士課程(表象文化論)満期退学、世田谷美術館学芸員、パリ西大学ナンテール・ラ・デファンス校(美術史)留学を経て現職。専門はフランスを中心とした近現代美術。これまでの主な担当展に、「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール展」(2010年)、「オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由―」(2014年)、「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」(2016年)、「ジャコメッティ展」(2017年)など。首都大学東京で非常勤講師も務める(2014年-)。
【美術1】
<展覧会批評の可能性>
現在の東京では、非常に多くの展覧会が開かれていますが、会期が終わってしまうと空間としては何も残りません。展覧会の批評を書く/読む行為は、そんな一過性の展覧会が閉幕した後も、議論を深め、新たな視点を発見していくきっかけとなります。実際に展覧会を見て批評を書くにあたり、展覧会はどのような経緯で開催されるのか、また過去に開かれた展覧会とその批評を紹介しながら、展覧会を見るときのポイントや、展評を書くことの可能性について、みなさんと議論したいと思います。
【美術2】
<国立新美術館「安藤忠雄展-挑戦-」鑑賞>
国立新美術館で開催されている建築家・安藤忠雄氏の展覧会を見に行きます。ただ見るのではなく、展覧会構成や展示方法の工夫について、会場内で意見を交わしながら、会場をめぐります。その経験をもとに、各自展評を執筆してもらいます。
【美術3】
<ワークショップと小括>
各自執筆した展評をもとに、グループに分かれて、ワークショップを行います。他の人がどんな視点で展覧会について書いているのか、意見交換を行いながら、自身の批評をブラッシュアップします。最後に、展評を通じて何を伝えることができるのか、もう一度考えてみましょう。
堀切 克洋 Katsuhiro Horikiri
演劇評論家
1983年福島市生まれ。専門はアントナン・アルトー研究、舞台芸術論、表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科にて学び、現在は千葉大学、慶應義塾大学などで教鞭をとりながら、「日本経済新聞」などに劇評を執筆。第17回シアターアーツ賞・大賞受賞。俳人としても活動し、第8回北斗賞受賞。
【演劇1】
<舞台を観るということ、書くということ>
舞台を見るという経験は、絵画や映画を見る経験とどのように質的に違っているのでしょうか。あるいは、それを言葉にするという作業には、どのような困難が伴うのでしょうか。講師がこれまでに経験してきたことをもとに、受講者のみなさんと考えていきたいと思います。
【演劇2】
<劇評を書く・劇評を読む>
同じ舞台を見ても、解釈が違ったり、評価が違ったりするのは当然ですが、しかし「いい」劇評には何か共通点があるのでしょうか。いくつかのグループに分かれて、意見交換をしてもらい、各グループの発見を最後に発表してもらいます。
【演劇3】
<小括>
劇評を書くことを通じて、もしかしたら舞台を見ているときにはわからなかったことが理解できるようになったかもしれません。あるいは逆かも。受講者のみなさんに書いていただいた劇評に対するコメントをもとに、ふたたび舞台を「見ること」と「書くこと」の困難について考えてみたいと思います。
※鑑賞作品:ハロルド・ピンター『管理人』(シアタートラム)を観劇。日程はガイダンス時に①11月27日(月)19時、②11月29日(水)19時、③12月6日(水)19時、④12月8日(金)19時、のいずれかで調整します。
松平 あかね Akane Matsudaira
音楽評論家
「読売新聞」にてクラシック音楽評を担当。演奏会のプログラムノートやエッセイの執筆、雑誌への寄稿をしているほか、音楽賞などの選考委員を務める。現在、神奈川芸術財団外部評価員、「年刊ワーグナーシュンポシオン」編集委員、日本ワーグナー協会事務局長。第一回一柳慧コンテンポラリー賞受賞。
【音楽1】
<音楽批評、実践のために>
音楽を言語化するための予備知識、心がまえなどを養います。批評文と感想文の違い、客観的事実と感覚の言語化、評者としてのポリシーなど、実践につながる視点を私自身の経験に基づいてお話しします。
【音楽2】
<分析とワークショップ1 実際に書くための予備訓練。読み方と書き方。>
実例の検証 — プロの書き手による批評を分析します。
実施 –DVD を視聴後、800 字の批評を書いてみます。原稿執筆ができる PC を持参してください。書きあがった作品は次回の授業で受講者同士で回覧しますので、4部プリントアウトしておいてください。
【音楽3】
<ワークショップ2 自分の文章を客観的に見る。>
ブラッシュアップ — 各自が持ち寄った批評文 2 本をグループ内で回覧し、コメントをつけ合います。執筆者はコメントを読み、必要があれば修正を行います。
※鑑賞作品:新国立劇場「「ばらの騎士」11月30日(木)18 時、12月3日(日)14時、12月6日(水)14時、12月9日(土)14 時を各自手配して鑑賞。都合がつかない場合は他の演奏会評でも可。
11月21日(火)2限 |
ガイダンスと導入セミナー |
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11月28日(火)2限【美術1】 |
展覧会批評の可能性 |
12月1日(金)2限【美術2】 |
国立新美術館「安藤忠雄展-挑戦-」鑑賞 |
12月5日(火)2限【美術3】 |
ワークショップと小括 |
12月8日(金)2限【演劇1】 |
舞台を観るということ、書くということ |
12月12日(火)2限【演劇2】 |
劇評を書く・劇評を読む |
12月15日(金)2限【演劇3】 |
小括 |
12月19日(火)2限【音楽1】 |
音楽批評、実践のために |
12月22日(金)2限【音楽2】 |
分析とワークショップ1 実際に書くための予備訓練。読み方と書き方。 |
12月26日(火)2限【音楽3】 |
ワークショップ2 自分の文章を客観的に見る。 |
1月5日(金)2限 |
冊子作成(1) |
1月9日(火)2限 |
冊子作成(2) |
1月16日(火)2限 |
冊子作成(3)、授業の総括 |
『アート・リテラシー入門―自分の言葉でアートを語る―』フィルムアート社、2004年
杉原賢彦『アートを書く!クリティカル文章術』フィルムアート社、2006年
シルヴァン・バーネット『美術を書く』東京美術、2014年
「安藤忠雄展―挑戦―」カタログ、安藤忠雄展建築展実行委員会、国立新美術館、2017年
とくに設けないが、観劇前に「管理人」(『ハロルド・ピンター全集』第2巻、喜志哲雄・小田島雄志訳、新潮社、2005年)を読んでおくことが望ましい。
その他、授業中に指示する。
美術、演劇、音楽の各パートで執筆した批評文をまとめ、チームごとに冊子を作成しました。
●中尾幸志郎、長沼航、望月花妃編著、岡本佳子監修『Verbaliser #501』2018年
●荒井真純、孫斗南、高倉一真、原虎太郎編著、岡本佳子監修『つづる –全学自由研究ゼミナール「芸術を言語化する」の記録—』2018年
日程:2018年4月6日(金)2限(10時25分〜)
場所:KOMCEE West K501教室
全学自由研究ゼミナール「教養としての芸術学」は、講読や創作体験を通して、芸術を座学と実践の両面から学ぶ授業です。2018年度S1タームでは、企画を通じて芸術にアプローチする授業を実施します。講義と演習でアートマネジメントの基礎を学んだうえで、渋谷を舞台とした音楽劇公演(音と言葉の要素を含んだ、広義のジャンルを想定)をチームごとに企画します。授業実施にあたり、実践の場で活躍するゲスト講師を招聘し、指導と助言を受ける予定です。最終的には、企画プレゼンテーションと試演による発表会を行うことを目標にします(5月29日夜に発表会予定)。音楽劇やアートマネジメントに関する前提知識は不要ですが、授業外でも積極的に劇場やコンサートに足を運び、なるべく芸術に多く触れる積極性を期待します。詳細は初回ガイダンスに参加してください。
ゲスト講師:森田 創 So Morita(東京急行電鉄株式会社)
1974年5月21日、神奈川県出身。1999年、東京大学教養学部人文地理学科卒業。同年、東京急行電鉄(株)に入社。海外事業、社内ベンチャー制度による事業開始、2006~2013年、渋谷ヒカリエおよびミュージカル劇場「東急シアターオーブ」の立ち上げ・運営を行う。2014年以降、作家としても活動。
ゲスト講師:楠瀬 寿賀子 Sugako Kusunose(音楽企画コーディネーター)
東京芸術大学音楽学部卒業。音楽雑誌等の編集・執筆を経て、1988〜2015年津田ホールに勤務(95年よりプロデューサー)、1997~2007年滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール・プロデューサー、2010〜16年せたがや文化財団音楽事業部長などを務める。室内楽を中心に他分野とのコラボレーションやワークショップなどの企画・コーディネートを行っている。
ゲスト講師:宮川 麻理子 Mariko Miyagawa(舞踊研究者、俳優、ドラマトゥルク)
東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)単位取得満期退学。舞踏家・大野一雄を中心に、ダンスを研究。共訳書に『欲望と誤解の舞踏−−フランスが熱狂した日本のアヴァンギャルド』(慶應義塾大学出版会、2017)。現在、千葉大学非常勤講師。2007年劇団「鮭スペアレ」旗揚げに参加し、俳優、ドラマトゥルクとして活動。シェイクスピアの戯曲をオリジナルの音楽劇として上演している。ダンス公演にもドラマトゥルクとして関わるほか、劇評も執筆している。
4月6日(金)2限 |
ガイダンスと導入講義 |
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4月10日(火)2限 |
渋谷再開発と芸術に関する講演 ゲスト講師:森田創 |
4月13日(金)2限 |
公演を企画することについての講演ほか ゲスト講師:楠瀬寿賀子 |
4月17日(火)2限 |
企画立案(1) ゲスト講師:楠瀬寿賀子 |
4月20日(金)2限 |
企画立案(2)、中間発表準備 |
4月24日(火)2限 |
中間発表会 |
4月27日(金)2限 |
修正立案、講読(1) |
5月1日(火)2限 |
講読(2) |
5月8日(火)2限 |
舞台研究とドラマトゥルク、音楽劇実践に関する講演 ゲスト講師:宮川麻理子 |
5月11日(金)2限 |
発表準備(1) ゲスト講師:楠瀬寿賀子 |
5月15日(火)2限 |
発表準備(2) |
5月18日(金)2限 |
発表準備(3) |
5月22日(火)2限 |
リハーサル、振り返りとまとめ |
5月29日(火)19:00- |
発表会 KOMCEE West 地下1階 レクチャーホール |
クリストファー・スモール『ミュージッキング』野澤豊一、西島千尋翻訳、水声社、2011年
小林真里、片山泰輔監修・編『アーツ・マネジメント概論』三訂版、水曜社、2009年
授業成果発表としてプレゼンテーションの発表会を行いました。
●日程:2018年5月29日(火)19:00-20:45(18:35開場)
●場所:東京大学駒場キャンパス KOMCEE West 地下1階 レクチャーホール
●内容:渋谷で実施する音楽劇公演の企画プレゼンテーション
「FLASH SHIBUYA」
「~Discover your new music~」
「Underground and New Stream ~宇田川~」
「ラジオ番組&ミニ音楽劇『ハチ公前で会いましょう』」
「SCRAMBL(※上下反転して表記)」
日程:2018年9月25日(火)2限(10時25分〜)
場所:コミュニケーションプラザ北館舞台芸術実習室
本授業は創作体験を通して芸術を実践と座学の両面から学び、実社会における想像力や物事を把握するための新しい回路をひらくことを目的としています。その取りかかりとして、まずは外に目を向けて興味を持つことから始めます。自分がどこに関心を向けているのかを客観的に捉えることが自己を知ることにつながり、その発見がさらに外に向かう表現や語りにつながる——そのような内と外の行き来を、この授業で言語/非言語の両方から体験・考察します。
西尾 佳織
劇作家、演出家、鳥公園主宰
劇作家、演出家、鳥公園主宰。幼少期をマレーシアで過ごす。東大表象文化論卒業、東京芸大芸術環境創造科修了。2007年に鳥公園を結成以来、全作品の脚本・演出を担当。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボけた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。
演劇編では「当事者/非当事者として語ること」をテーマに、【架空の「家族を」つくる】と【受難を語る】という二つの作品制作を行います。自分の本当の話をするところから始めて、そもそも「家族とは何か」を問い直し、徐々にフィクションへ移行していく中で、演劇における当事者性について考えます。1回目の授業(9/28)には、家族の思い出の品を持って来てください。「思い出の品」は家族全体の思い出ではなく、父、母、姉、自分にとって家族にあたる人……など誰か一人に絞って、必ず現物(例えば写真ならデータではなくプリントで)を最低3つ以上持ってきてください。多い方が望ましいです。
野口 桃江
現代音楽作曲家
桐朋学園大学音楽学部 作曲理論学科卒業。同大学研究科修了。仏リヨン国立高等音楽院にて電子音響とオーケストレーションを学んだ後、蘭デン・ハーグ王立音楽院 ArtScience学科修士課程修了。現代音楽をベースに、光、映像、センサー等を用いた実験的な作品制作や即興演奏パフォーマンスを各所で行っている。
「外の音」「内の音」そして「音以前の音」に対して耳をひらくことから始まるこのワークショップでは、フリー・インプロヴィゼーションの手法を用いて、必ずしも西洋音楽の理論に拠らない、非言語的コミュニケーションを段階的に行っていきます。これに並行して、音を媒体とした芸術作品についてジャンルを問わず幅広くながめながら、美学的な議論と、システムとしての分析・応用を重ねます。身体をとおして思考を深め、新しい表現を模索する自由な場を創りたいと思っています。音楽経験の有無は問いません。
9月25日(火)2限 |
ガイダンス |
---|---|
9月28日(金)2限 |
【演劇1】 |
10月2日(火)2限 |
【演劇2】 |
10月5日(金)2限 |
【演劇3】 |
10月9日(火)2限 |
【演劇4】 |
10月12日(金)2限 |
【演劇・音楽合同会】 |
10月16日(火)2限 |
【音楽1】 |
10月19日(金)2限 |
【音楽2】 |
10月23日(火)2限 |
【音楽3】 |
10月26日(金)2限 |
【音楽4】 |
10月30日(火)2限 |
【創作1】 |
11月2日(金)2限 |
【創作2】 |
11月6日(火)2限 |
【創作3】 |
11月9日(金)2限 |
【最終成果発表会】 |
11月13日(火)2限 |
【ふりかえり】 ※授業外実施 |
井筒俊彦『意識と本質―精神的東洋を索めて』岩波書店、1991年
高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』講談社、1997年
エリカ・フィッシャー=リヒテ『パフォーマンスの美学』中島裕昭ほか訳、論創社、2009年
吉岡洋、岡田暁生編『文学・芸術は何のためにあるのか?』東信堂、2009年
『意識と本質』は必読としますので、参加希望者は授業前に予習してくることを推奨します。
授業成果発表としてプレゼンテーションの発表会を行いました。
●日程:2018年11月9日(金)10:40-12:10
●場所:東京大学駒場キャンパス 駒場コミュニケーションプラザ北館音楽実習室
●プログラム
「存在拾って」
「oto」
「あ、、」
「のけものとして」
「ひかれる!」
教養教育高度化機構社会連携部門の実施授業「教養としての芸術学」の有志プロジェクトチームによる企画として、今年発明100周年を迎える電子楽器テルミンの体験会と演奏会を実施します。どなたでもご参加いただけます。
日程:2019年3月22日(金)15:00開演(14:30開場)
場所:
東京大学駒場キャンパス 21 KOMCEE West 地下1階 MMホール
定員:100名(要事前申込・先着順)
講師:竹内 正実(テルミン奏者・マンダリンエレクトロン代表)
第1部 15:00~ 竹内正実氏との対談
聞き手:荒井真純・真野由花子(東京大学教養学部文科三類2年)
第2部
16:05~ テルミン/マトリョミンコンサート
(演奏:Japan Theremin Old School、マトリョミン・アンサンブル “Mable and Da”)
16:50~ 演奏体験会
https://r.qrqrq.com/IJAoPof6からフォームを記入していただくか、こちらのアドレスtodai.theremin[at]gmail.comに必要事項を記入してお送りください。
①氏名 ②年齢(任意) ③メールアドレス ④体験会の参加希望の有無
無料
todai.theremin〔at〕gmail.com
東京大学教養学部附属教養教育高度化機構 社会連携部門
全学自由研究ゼミナール「教養としての芸術学」は講読や創作体験を通して、芸術を座学と実践の両面から学ぶ授業です。
2019年度Sセメスター「芸術を言語化する」では、芸術を能動的に理解するための方法として、芸術を言語化し文章として表現することを学びます。具体的には音楽や演劇、メディアアート等を鑑賞して作品解説や批評を実際に執筆し、チームでブラシュアップして冊子として発表することを目指します。実施にあたり、実践の場で活躍する学外のゲスト講師からの協力を得て開講する予定です。前提知識は不要ですので、「作品を鑑賞した感想を他の人と話してみたい、でも何と表現すればいいかわからない」という人も歓迎します。まずは話してみる/書いてみるところから始めてみましょう。 受講者には授業外でも積極的に劇場やコンサートに足を運び、芸術作品に多く触れる積極性を期待します。
松平あかね
音楽評論家
「読売新聞」にて音楽評を担当。プログラムノートやエッセイの執筆、雑誌への寄稿のほか、音楽賞などの選考委員を務める。「年刊ワーグナーシュンポシオン」編集委員、日本ワーグナー協会事務局長。歌手としても活動しており、おもに近現代作品を手がけている。ミュージカル(「舞台FGO」)にて歌唱指導。自身の声による多重録音「MACHA ART~口切りの茶事」が伊藤園web CMにて公開中。第一回一柳慧コンテンポラリー賞受賞。
第 1 回(4 月 19 日) 音楽 1- 講演
音楽批評、実践のために。
音楽を言語化するための予備知識、心がまえなどを養います。批評文と感想文の違い、客観的事実と感覚の言語化、評者としてのポリシーなど、 実践につながる視点を私自身の経験に基づいてお話しします。
第 2 回(4 月 26 日)音楽2 – 分析とワークショップ 1
予備訓練(自分の言葉を探す – 文体の決定と感覚の言語化。)
実例に触れる: 現役の批評家による文章を分析します。
ワークショップ: 受講者の作品をグループ内で回覧し、完成度を上げるためのアイディアを協力して出し合います。執筆者はコメントを受け、必要があれば修正、改稿を行います。
第 3 回(4 月 30 日) 音楽3‒ワークショップ 2
ブラッシュアップ(自分の文章を客観的に見る。)
ワークショップ: 受講者の作品をグループ内で回覧し、コメントをつけ合います。執筆者の意図が読み手に正確に伝わっているか否かを検討します。執筆者は必要があれば修正、改稿を行います。
授業前までの課題があります。詳細をよく読んだ上で、各自チケットを手配し鑑賞、文章を書いてきてください。
河合政之
ヴィデオ・アーティスト/オーガナイザ
哲学的かつ先鋭的な映像、インスタレーション、パフォーマンスを国内外で発表。 NY、パリ、イスラエルなどに滞在。展覧会のオーガナイザーとしても活動し、”Visual Philosophy”のコンセプトにもとづくさまざまなヴィデオアートのプロジェクトを展開。著書『リフレクション:ヴィデオ・アートの実践的美学』(水声社)他。
サヴァイヴァルとしてのヴィデオ/アート
授業前までの課題があります。授業概要を読み、ここに挙げられた問いを各自あらかじめ考え、その考えのもとになった著作や論文があれば、それを各授業の際に回覧できるようコピーして持ってきてください。
堀切克洋
演劇研究・批評
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(表象文化論)博士課程単位取得退学。2013年、第17回シアターアーツ大賞受賞受賞。「日本経済新聞」「悲劇喜劇」などに寄稿。翻訳に『ヤン・ファーブルの世界』『歌舞伎と革命ロシア』など。俳人としても活動し、2017年、第8回北斗賞受賞。句集『尺蠖の道』。
芸術のなかでも「演劇」はどのような特徴があるでしょう。まずはその点から出発して、「演劇を批評する」という行為のもつ意味についても、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。そして実際に、参加者のみなさんには公演を見て、それについて批評を書いていただくという作業を行います。参加者どうしで演劇批評に求められる条件とは何かをディスカッションしながら、自分の文章のブラッシュアップも試みてもらいます。
授業前までの課題があります。対象公演について各自チケットを手配し、授業前までに鑑賞してきてください。
4月5日(金)2限 |
ガイダンス |
---|---|
4月19日(金)2限 |
【音楽1】講演〜音楽批評、実践のために。 |
4月26日(金)2限 |
【音楽2】分析とワークショップ 1 |
4月30日(火)2限 |
【音楽3】ワークショップ 2 ブラッシュアップ(自分の文章を客観的に見る。) |
5月10日(金)2限 |
【ヴィデオ・アート1】 |
5月17日(金)2限 |
【ヴィデオ・アート2】 |
5月24日(金)2限 |
【ヴィデオ・アート3】 |
5月31日(金)2限 |
【演劇1】(補講日での開講になります) |
6月7日(金)2限 |
【演劇2】 |
6月14日(金)2限 |
【演劇3】 |
6月21日(金)2限 |
【冊子作成1】チーム分けと冊子の方針決め、ブラシュアップ |
6月28日(金)2限 |
【冊子作成2】ブラシュアップと入稿(各チームでの自主活動とする) |
7月5日(金)2限 |
【冊子作成3】 校正 |
7月12日(金)2限 |
【冊子作成4】 まとめとふりかえり |
y.okamoto[at]komex.c.u-tokyo.ac.jp
東京大学教養教育高度化機構 社会連携部門 岡本(おかもと)